ストレルカの記録場

軍事や宇宙開発、医療の話題。

反ワクチンの卑怯な「猛毒」という言葉

「ワクチンは猛毒です。」と言う”反ワクチンで支持を集める政治家”、”YouTube陰謀論者”などなどが多い。だが…

 

劇物毒物ではなく

猛毒」と言うには裏がある

 

毒物劇物取扱責任者」なんて資格があるように、毒物と劇物は国により定められ取り扱うには資格がいります。理科の実験で使う硫酸や塩酸、農薬や殺虫剤、薬やワクチンなどは「劇物」や「毒物」と明確に決められている。定義の詳細は省くが「致死量が少ない物質」が毒物や劇物と認定される。濃塩酸は20g程度を飲むと死に至るとされ、劇物となっている。青酸カリは0.3g程度を食べると死に至るとされ、毒物となっている。

 

では「猛毒」とはなんでしょうか。猛毒には定義がない、ゆえに自由に使い放題だ。私が猛毒と思えば猛毒だし、あなたが猛毒だと思えば猛毒、無責任に自由に使える魔法の言葉です。他の多くの薬と同様に新型コロナのワクチンは「劇薬」に指定されています。もし「新型コロナのワクチンは毒物」と言っている人がいれば、それは間違った発言なのです。でも「猛毒」なら、自由に使いたい放題です。政治家や詐欺師が好んで使いそうな言葉です。

 

おさらいですが「劇薬や毒薬だから食べたり飲んだりしてはいけない」というわけではないです。ただの水でも一度に5Lや10Lも飲めば人は死にますが、普通の量の水を飲む分には何も問題ありません。毒物や劇物も体に問題ない量なら何も問題ありません。そして「猛毒」という言葉には定義がなく、自由に使える無責任な言葉なので信用してはいけません。